音響の人、矧矢です。
先日、おちゃこさんが代表を務めるVoiceVoiceさんの夏の朗読会「四谷怪談再び」を観てきました。
ベルさんも昨年に引き続き出演していました。
今回は、観てきた感想をババッと書いていきたいと思います。
普段はニコニコしているお二人の、違った側面を見てみたい。
という気持ちで、怖い話は苦手な方でしたが観に行かせて頂きました。
まず、矧矢は四谷怪談を作品としてきちんと鑑賞した事がありませんでした。
苦手なジャンルという事もありましたので、食わず嫌いというやつですね。
お岩という顔半分が腫れぼったい女性というか幽霊(?)の存在くらいは知識として知ってはいましたが、
正直それが四谷怪談の登場人物だという事すら知らなかったくらいで。
事前情報で、コミュニケーション不足による悲劇、という事だけ頭に入っていて観劇開始。
前半は「確かに言葉足らずだな、素直じゃないな。でもこれって怪談と言うよりも悲しいお話だな」って思っていました。
でも後半になると怪談要素が一気に加速。
シトシトという雨音も良い効果になっていました。
特に、ちゃこさん演じるお岩のカットインには「ヒエッ!?」ってなりました。
おどおどろしさ、ベルさんのセリフを食うタイミングが絶妙で、気持ち良い気持ち悪さでした。
終演後のアフタートークで、1年前も四谷怪談をやり、キャストがシャッフルされていたというお話を聞き、
「ベルさんの悪代官のような喜兵衛ってどんなだったんだろうなぁ」と、1年前のも見たかったなぁと思いました。
ここで話がガラッと変わります。
実は四谷怪談を見る前に、ミュウツーの逆襲EVOLUTIONを観に行っていたんです、1人で。(この先プチネタバレあります)
小学生の夏休み、父親に連れられてオリジナルを観に行ったのを良く覚えています。当時の自分には衝撃的で、
数日間「ホワァ」ってなっていました。
衝撃的だったのは感動したからなのか、それとも怖かったからなのか、今となっては分からないのですが、
20年くらい経った今でも胸の中に残る作品でした。
さて、リメイクにつきまとわれがちなのが「オリジナルとの比較」ですよね。
やれ「声優が違う」だの「どこそこのシーンがカットされている、解釈が違う」だのと、
オリジナルが偉大であればあるほど言われてしまうものですよね(本作のテーマ自体も「オリジナルとコピー」でした)。
自分はノスタルジーというか、昔を懐かしむ気持ちで観に行きました。
昨年亡くなられた石塚運昇さんのナレーションが入るオープニングからずっと泣きそうになっていて、
クライマックスのピカチュウの涙で一気に涙腺崩壊。
個人的には大満足でした。
さて、四谷怪談に話を戻していきます。
リメイク作品という点で、この2作品は共通しています。どちらも偉大なオリジナルがあり、
表現方法が朗読だったり3DCGだったり、キャストを入れ替えてみたりと工夫を凝らしています。
その時その時の演者、スタッフで最高の物を作るためにチャレンジを重ねているんだなと思いました。
今回の四谷怪談は自分にとってのオリジナルとなる作品だったなと思いますし、元々はどんなお話だったのかなとか、
他の解釈の四谷怪談も観てみたいという気持ちになりました。
そういう観客が1人でも生まれた時点で、今作は大成功だったと言えるのではないかなと思います。
また、コミュニケーション不足による悲劇というテーマも実に今風と言うか、
自分の身にも起き得る(一族壊滅とまではならないまでも)事だなぁと良い戒めとなりました。
食わず嫌いは良くないですね。
それが美味しいのかマズいのか、面白いのかつまんないのか。
食べてみないと、飛び込んでみないと分からないですよね。
ちゃこさん、ベルさん、お疲れ様でした。
この夏はワークショップにインプロショーにしばいぬ大暴れ。
お待ちしております!